中古住宅で快適に暮らすには、暮らしやすくするカスタマイズが必要だったりしますよね。とくに収納は大事なポイント!
整理整頓され、居心地の良い我が家にするための収納術を、1級建築士で住空間プランナー、越後収納美人主宰のこばやしりえこさんからアドバイスしてもらいます。
中古住宅のデメリットをうまく活用する方法
中古住宅のデメリットは、部屋の間取りが自分たちの暮らし方に「ドンピシャじゃない」ところにもあります。
もちろん収納スペースが少ないこともそうでしょう。けれどもこの二つを一気に解決する方法があります。
ドンピシャじゃない!?を「みんなの収納」に
この「ドンピシャじゃない」には、6畳間や4畳半という大きさの部屋がいくつもある間取りである場合も含まれます。
二間続けて、使えるのであれば簡単に活かせますから、私のアドバイスは必要ありません。
問題なのは、二間続きにならない壁で仕切られている1階の4畳半や6畳間です。使い方がわからないですよね。
こうゆう部屋は迷うことなく「家族みんなの収納」にしましょう。
もともと、中古住宅はそれぞれの部屋に収納が少ないわけですから、いっそ家族全員のモノを1つにまとめて収納するんです。
私が住宅を設計する時によく使う手法でもあるのですが、モノをしまう場所を思い切って1ヶ所にするということです。
まとめた収納は大きなメリットがある!
「それってモノが散らかるんじゃないの?」「それぞれの部屋に収納があったほうが、片付けやすいいんじゃないの?」「どうして?」と思われますよね。それはもちろん大きなメリットがあるからです。
1つにまとめた収納のメリットは、3つ。
① 一目でわかる
②片付けやすい ③迷わない |
どのみち、使い勝手の悪い部屋は荷物置き場になってしまう運命にありますから、居室(人が日常居る部屋で、リビングやダイニングキッチン、寝室を言います)として使うことはきっぱりと諦めて、最初から収納として使うことを考えましょう。
一番のメリットが①の一目でわかる!です。どんなモノがどこにしまってあるか、一目瞭然でわかるということです。それぞれの部屋に収納がある場合、その部屋で使うモノ以外も収納してあったりして、それを探す時に「どこだっけ?」と考える時がありますよね。それと、自分だけしか片付け場所を知らないことも、多いはずです。
それがこの「1つにまとめた収納」にしておけば、家族みんなが「どこに、何がしまってあるか」という情報?を共有出来ます。これで、モノの出しやすさを手に入れられます。この出しやすさが次の②、片付けやすいに繋がってくるのです。
片付けやすい=出しやすい、なのです。どこも場所にしまってあるかがわかって入れば、戻す時も元の場所を探すことはしなくていいですもんね。その流れで行くと③の迷わないも、モノを探すことを迷わなくなるという流れになりますね。
中古住宅は、1つの部屋が広くないデメリットの反面、部屋数が多いというメリットを最大限に活かせる収納術です。
言い換えれば、それぞれの部屋が狭いぶん、すっきりと暮らすためには、1部屋丸ごと収納にしましょう!という大胆な提案です。
すっきりと快適に暮らすためには、余計なモノで部屋の空間を占領されたくない訳です。
すっきりと快適に暮らすための収納方法
具体的な収納方法としては、天井物干し(専用の金具があります)を使った洋服掛けや、真ん中に収納ボックスを置いて回遊する動線を作ったり、その上で洗濯をたたんだりアイロンかけをする作業台にします。
縁側に面してる部屋だったら、縁側を洗濯干し場にもして、乾いたらすぐにしまえてとっても便利です。
押入れがついていたら、中に何が入っているかわからないブラックボックス化しないために、押入の戸は外して季節モノの収納にしましょう。
その部屋の大きさが6畳であれば、長手側の両面を洋服掛けにして、その下に収納ボックスを置く。
真ん中にカラーボックスをいくつか置いて、バックなどの小物を収納。カラーボックスの上に板を1枚置いて、作業テーブルにします。
大きさが4畳半であれば、3方向のコの字型に洋服掛けを作って、
ショップのディスプレイのように棚に洋服を置くのも、一目でわかる方法の一つです。壁を有効に使って、棚をDIYするのも良いですね。
小さなお子さんがいる暮らしであれば尚のこと、1ヶ所に収納をまとめて危ないモノをそこに閉じ込めることも出来ます。
結構楽しく片付けられるイメージが湧いてきたのではないでしょうか?
これでたくさん仕舞えるわ!と普通はなる訳ですが、ここで一つ、とっても大切なポイントをお話しします。
片付けやすい→迷わないための大事なポイント
最初にお話した収納のメリット3つを思い出してください。
一目でわかる→片付けやすい→迷わない、この流れがあってこその収納ですので、決してキツキツに仕舞わないでください。収納できる空間を100とすると、70くらいを収納に使って、残りの30は空き空間にしておく、ここが重要ポイントです。モノを増やさない暮らしを心がけて「1個捨てたら1個買う」をやっていても、予期せぬ頂きモノがやってきますし、処分するモノの一時保管場所も必要になります。そのためのスペースを残して置いてください。
私自身、大雑把な性格なのでしまい方もざっくりしています。私にとって一目でわかる→片付けやすい→迷わない収納にするには、空間が100あったら半分の50くらいのモノの量がちょうど良いようです。
執筆者プロフィール
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東京工芸大学工学部建築学科を卒業後、東京の設計事務所勤務を経て、家業の有限会社田中栄一建築設計事務所代表取締役に就任。整理収納アドバイザー1級資格保有。住空間収納プランナー及び整理収納アドバイザーとして、新聞・雑誌などの様々なメディアにコラムを掲載中。
1級建築士だから、今までに設計してきた”お家”の収納バリエーションがたくさんあります。その中からでも、あなたにぴったりの収納が見つかります。収納を考えるのが大好きですし、自分では得意だと思ってます。この部屋には何をしまいますか?と聞いて、それを整理して、その部屋に合った収納を設計しています。
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